GOT
正常値・異常値の見かた
GOTは次項で述べるGPTとともにからだの重要な構成物質であるアミノ
酸の造成をうながす酵素。GOTが最も多く含まれるのは心臓で、次に肝臓、
骨格筋、それに対してGPTはほとんど肝臓の細胞のなかにしか存在しない
ので、両者の数値から心臓疾患、もしくは肝臓疾患の病気の種類を識別する
ことができます。GOTの正常値は8〜40単位。正常値を超えると異常と
みなされ、さらに詳しい精密検査が必要です。ただ、いつもお酒を口にして
いる人は正常値より10%くらい高くなっても心配はありません。また、正
常値より低い場合も問題ありません。
考えられる主な病気
心臓疾患では、数値が上昇すれば「心筋梗塞」が疑われます。狭心症では数値
は上昇しませんのでGOT検査をすればすぐにわかります。また「肝炎」「肝
硬変」「肝臓がん」などの場合も異常値を示します。そのほか、「筋ジストロ
フィー」などの骨格筋の病気、「溶血性疾患」なども考えられます。
GPT
GPT検査もGOTと同じく、正常値より高いと異常、いつもお酒を口にし
ている人は10%増しくらいなら心配無用、低い場合も問題ありません。
異常値では50〜150単位が「慢性肝炎」「肝硬変」、300〜1000単位
で「急性肝炎」が疑われます。また、健康な人は常にGPT値よりGOT値の方
が高くなっていますので、比率が大幅に変わったら、なんらかの病気を疑った方
が良いでしょう。
考えられる主な病気
「急性肝炎」「慢性肝炎」「肝硬変」「ウィルス性肝炎」「中毒性肝炎」が考え
られ、どれも高い数値を示します。特に急性肝炎の場合は自覚症状がなくても
異常に数値が高くなります。そのほか肝炎以外の「肝臓がん」「乳がん」「胃が
ん」「急性膵炎」「筋ジストロフィー」「多発性筋炎」なども数値が上昇します
ので注意して下さい。
γ−GTP
正常値・異常値の見かた
γ-GPTはアルコールに敏感に反応する酵素で、年齢、性別、飲酒の有無で多少
の違いはありますが、健康な人の約85%が40以下の数値を示します。男女と
も80以上なら明らかに以上と判定され、50〜80の人は禁酒して二週間後に
再検査が必要となります。アルコールを飲まない人もこの数値が出たら再検査が
必要です。そのほか、睡眠薬や精神安定剤、なんらかの理由で薬を服用している
場合も数値が変動しますので注意して下さい。
考えられる主な病気
肝臓がん、胆道がん、膵臓の頭部がんなどの「胆道閉塞性疾患」「肝硬変」
「急性肝炎」「慢性肝炎」「アルコール性肝臓障害」「心筋梗塞」などが
考えられます。
LAP
正常値・異常値の見かた
LAPとは、主に肝臓、膵臓、胆道をはじめ、脳、小腸、子宮、睾丸などの
組織に存在する酵素で、これが血液中に増えるのはほとんど肝臓と胆道の病
気に限られます。正常値は、ゴールドバーグ・ルーテンブルグ法で男性が
110〜200単位以下、女性では100〜185単位以下、それ以上は
異常と判定されます。異常となった場合は、同じく前項のγ-GTP検査や
次項のALP検査でも異常を示すことが多いので、必ずこれらの検査値も
診断の参考にされます。
考えられる主な病気
「肝炎」「肝硬変」「肝臓がん」、結石、がん、炎症などの「胆道疾患」など
が考えられます。たとえば、1500の高い数値では「胆道閉塞」「肝臓がん」、
500では「慢性肝炎」、300では「急性肝炎」「肝硬変」などです。
ALP
正常値・異常値の見かた
ALPとは、からだのほとんどの臓器や細胞に含まれるリン酸酵素のことで、
これら臓器や細胞になんらかの異常があると血液中にALPが流出したり
停滞したりして数値があがります。そして、この検査とともにGOTやGPT
を同時測定することによって黄疸の判別が可能になります。正常値は2.6〜
10.0単位、数値を超えると異常値です。それぞれ正常値が異なりますので、
2ヶ所以上の病院で検査を受けた結果を比べる時には、数字だけでなく単位
にも注意してください。
考えられる主な病気
「細胆肝性肝炎」「胆汁性肝硬変」のほか、がんや胆石が原因の「総胆管閉塞」
の黄疸では数値がたかくなり、「肝臓がん」では中程度、「胆道の感染症」「胆石」
「ウィルス性肝炎」「アルコール性肝硬変」では軽く上昇します。そのほか、
骨の病気では「骨腫瘍」「くる病」「骨軟化しょう」「ベーチェット病など。
ALPは病状に比例して数値も上がるので早期発見の有力な検査となっています。
LDH
正常値・異常値の見かた
LDHは、からだのなかで糖がエネルギーに変わるときに必要な酵素で、心筋、
肝臓、骨格筋、赤血球などに多く含まれています。それらに異常をきたすと
LDHが血液中に増加してきます。正常値から10%程度の変動はそれほど
心配ありませんが、400単位以上になると異常値です。診断は、GOT、
GPTなどと併用して行われます。
ZTT
正常値・異常値の見かた
慢性肝炎や肝硬変などの病気の経過診断を行うのに最も効果的なのがこの ZTT検査です。クンケル法で4〜12単位が正常値で、4単位以下、 あるいは12単位を超えた場合に異常値となります。
考えられる主な病気
ZTTが中程度に高くなるのは「慢性肝炎」、異常に高くなるのは「肝硬変」、 肝臓以外の病気では「膠原病」「サルコイドーシス」「肺結核」などが疑われます。
逆に低くなるのは「悪性高血圧症」「転移性がん」「糖尿病」などが考えられます。
コリンエステラーゼ(CHE)
正常値・異常値の見かた
この検査は、血清中にどれくらいのCh―E(コリンエステラーゼ:酵素の一種)
が含まれているかをみて、肝細胞の異常をいち早くキャッチするもの。検査値は
正常値より多くても少なくてもいけません。異常と判定された場合は、再検査が
必要です。
考えられる主な病気
・ 0.7以下の場合
「肝硬変」「慢性肝炎」「悪性腫瘍」「膠原病」「有機リン酸農薬中毒」「低栄養」
などが考えられます。
・ 1.3以上の場合
「ネフローゼ症候群」「甲状腺機能亢進症」「脂肪肝」「高血圧症」「気管支ぜんそく」など。
総たんぱく(TP)
正常値・異常値の見かた
血清総たんぱくとは、アルブミン、グロブミン、フィブリノーゲンなど血液中
に含まれるたんぱくの総称で、肝臓でつくられます。私たちのからだは、この
血液中に溶けているたんぱくの量を一定に保とうとする性質があり、数値が急
激に変動することはありません。血清総たんぱくのわずかな変動でも体内では
大きな変化が考えられますので検査値の変動には注意が必要です。
考えられる主な病気
・ 8.3以上に場合
「高たんぱく血症」「慢性肝炎」「肝硬変」「悪性腫瘍」、下痢、発熱、嘔吐、
水分摂取不足による「脱水症」ほか、「多発性骨髄腫」などが考えられます。
・ 6.5以下の場合
「低たんぱく血症」「栄養不良」「肝障害」「本能性低たんぱく血症」「ネフロー
ゼ症候群」「腹水」など。
アミラーゼ(AMY)
正常値・異常値の見かた
膵臓には内分泌腺と外分泌腺の2つの機能があり、炎症が起きると両方の機能がおか
されますが、とくにアミラーゼを分泌する外分泌腺としての働きに強く障害が生じま
す。この検査はその障害によって血液中に漏れ出てきたアミラーゼの量を測定するも
のです。正常値は血液1ミリリットル中に45~160単位で、このし位置より高くて
も低くても異常値とみまされます。
考えられる主な病気
・ 数値が高い場合
「急性膵炎」「急性胆のう炎」「急性虫垂炎」「化膿性耳下腺炎」「唾液腺閉塞」
「腎不全」など。
・ 数値が低い場合
「慢性膵炎」、末期の「膵臓がん」「流行性肝炎」「中毒性肝炎」「肝硬変」などが
疑われます。
A/G比
正常値・異常値の見かた
血清中のたんぱくにはアルブミンとグロブリンがあることは前項の検査で
述べました。A/G比とはこれらの比率のことをいいます。これらはそれぞれ
役割も違うので、比率を調べることによって病気の種類がわかるようになっ
ています。また、さらに細かく分けられたグロブリンの種類によって病気の
重症度も調べることができます。A/G比の正常値は1.3〜2.0。血清た
んぱく分画は次の通りです。
・ アルブミン 62.0〜72.7%
・ αT―グロブリン 2.1〜3.6%
・ αU―グロブリン 6.0〜10.0%
・ β―グロブリン 6.0〜10.0%
・ y―グロブリン 9.0〜19.0%
考えられる主な病気
A/Gが下がる場合は「肝臓病」「ネフローゼ」「慢性感染症(肺結核など)」
「関節リウマチ」「多発性骨髄種」などが考えられます。分画でみると「肝硬
変」の場合にグロブリンの比率がとても高くなります。アルブミンはほとんど
全ての病気で減少しますので、減少具合で病気の度合を判断します。
総ビリルビン(T-Bil)
正常値・異常値の見かた
ビリルビンには尿に出てこない間接型と尿に出てくる直接型の二種類があり、
この両方のビリルビンの量を合計したものが総ビリルビンです。そして、
どちらの型が増えているかを調べて黄疸の有無とその種類を判別します。
正常範囲0.2〜1.0、最も理想とされるのが0.8。数値が1.0〜3.0は潜在的
黄疸、3〜10は軽症、10以上になると誰が見ても黄疸と分かるような黄色い
顔になり、20を超えると症状は全身に広がり、顔は黒ずんできます。
考えられる主な病気
黄疸症状がでるのはほとんどが肝臓の病気で、直接型ビリルビンが要因となっ
て起こる「肝細胞性黄疸」「閉塞性黄疸」があります。また、ごくまれに間接
型ビリルビンの大量増加が要因となる「溶血性黄疸」もあります。
尿素窒素(BUN)
正常値 8〜20mg/dl
正常値・異常値の見かた
この検査は、腎臓を介して体外へ排出されるべき有害な尿素窒素BUNを調べるもの。
血液中にこれが増えるということはなんらかの腎機能障害が考えられます。
正常値は1デシリットルあたり8〜20ミリグラム。そして症状のレベルは4段階に
分けられ、次のように判別されます。
・ 第一度
50ミリグラムまで
・ 第二度
50〜100ミリグラム
・ 第三度
100〜150ミリグラム
・ 第四度
150ミリグラム以上
考えられる主な病気
20ミリグラム以上のときは腎臓からの尿排泄の異常、40ミリグラム以上は
明らかに「腎機能障害」の疑いがあります。そのほか「尿毒症」「尿路循環障害」、
手術時の「出血多量」「腸管内出血」、「妊娠による出血」なども考えられます。
また、肝臓障害でも数値は上昇しますが、それでも80ミリグラムを超すことは
ありません。
クレアチニン(Crea)
正常値・異常値の見かた
クレアチニンという物質は筋肉運動の代謝産物、いわば老廃物で腎臓が正常に
働いていれば尿中に排出されるべきものです。しかし腎臓がきちんと機能して
いなければ、クレアチニンは血液中に異常数値となって顔を出します。男女の
平均正常値はデシリットルあたり0.7〜1.1ミリグラム、ふつうは男性の
方が女性より少し高い数値となっています。クレアチニンは1日のうちでも変
化が見られ、午後3時から7時ごろにかけて最高値を示します。また、妊娠時
には低下する傾向があります。いずれにせよ濃度が高い場合はさらに詳しく検
査が必要です。
考えられる主な病気
「腎臓障害」のほかに「甲状腺機能異常」「神経筋疾患」、高い数値を示す場合は
「腎不全」「尿毒症」「慢性腎炎」「うっ血性心不全」「巨人症」「末端肥大症」、
低すぎる場合は「筋ジストロフィー」「尿崩症」などの疑いがあります。
尿酸(UA)
正常値・異常値の見かた
尿酸はおもに痛風の原因物質として知られています。これは貝類やナッツ類、
卵、肉、レバーなどプリン体を多く含んでいる食品を多量に摂取し続けると
多くなります。正常値には男女差があり、男性で3.6〜7.6、女性で
2.5〜5.4、どちらも7.6以上は要注意。乳児や小児はもう少し低め
になります。
考えられる主な病気
数値が高くなる原因によって考えられる病気も異なります。
・ 尿酸の生産が過剰な場合
「痛風」では8〜16くらいで、「白血病」「溶血性貧血」「多発性骨髄腫」
「高血圧」「心不全」「肝障害」では8〜9程度。
・ 尿酸の再吸収の増加
「妊娠中毒症」が考えられます。
・ 尿酸の排泄が悪い場合
「腎炎」「尿毒症」など。
電解質
正常値・異常値の見かた
私たちのからだの約60%は水分(体液)でできています。この体液を構成
する陽イオンと陰イオンのバランスをチェックすることが、この検査の目的
です。各イオンの正常値・異常値は表の通りです。
からだの電解質チェック
種 類 (単位)
正常値
異常値
陽イオン中
(Na)血清ナトリウム (mEq/l)
(K)血清カルシウム(mEq/l)
(Ca)血清カリウム(mEq/l)
(Mg)血清マグネシウム(mEq/l)
135〜147
8. 4〜10.2
3.3〜5.0
1.5〜2.1
155以上、134以下
12以上、8以下
5. 6以上、3.5以下
2.5以上、1.4以下
陰イオン中
(Cl ) 血清クロール(mEq/l)
98〜108
110以上、95以下
考えられる主な病気
各イオンの増減によって考えられるものは次の通りです。
・ アシドーシス(酸性症)の場合
重症の「心臓病」「糖尿病」「妊娠中毒症」「嘔吐」、小児の重い「消化不良症」
「肺疾息」など。
・ アルカローシス(アルカリ性・塩基性症)の場合
「下痢」、大量の「胃液嘔吐」、重症の「胃疾患」など。
・ カルシウムの異常
多い場合は「悪性腫瘍(骨移転性)」「多発性骨髄腫」「原発性副甲状腺機能亢進症」、
少ない場合は「腎不全」「副甲状腺機能低下症」「ビタミンD欠乏症」など。
・ カリウムの異常
多い場合は「腎不全」「脱水症」、少ない場合は「飢餓」「呼吸不全症候群」「腎不全」
「副腎皮質機能亢進症」など。
・ マグネシウムの場合
多い場合は「尿毒症」「腎不全(乏尿症)「甲状腺機能低下症」「クッシング症候群」、
少ない場合は「腎不全(他尿症)「尿毒症」「甲状腺機能亢進症」
「ネフローゼ症候群」などが考えられます。
・ クロールの異常
多い場合は、「脱水症」「クッシング症候群」「慢性腎炎」、少ない場合は
「水分過剰摂取」「嘔吐」「アジソン病」「水銀利尿剤服用の副作用」が考えられます。
「水分過剰摂取」「嘔吐」「アジソン病」「水銀利尿剤服用の副作用」が考えられます。
総コレステロール(TC、T-ch)
正常値・異常値の見かた
コレステロールは、さまざまなホルモンの材料としてなくてはならない大切なもの。
しかし、増えすぎたり減りすぎたりすると、逆にからだに悪影響を及ぼします。多少
の変動なら心配はありませんが、数値が220を超えたら要注意状態と考えた方がい
いでしょう。一般にコレステロール値は幼児で100、10代の子供で130程度。成
人になるにつれ徐々に高くなり、70歳をすぎると再び下がってきます。男女別では女
性の方が高く、40代以降になると高くなる傾向があります。
考えられる主な病気
・ 数値が高い場合
「動脈硬化症」「ネフローゼ症候群」「胆道閉塞」「甲状腺機能低下症」「糖尿病」
などが疑われます。なかには「本能性高コレステロール血症」といって、理由もなく
数値が上がるものもあります。
・ 数値が低くなる場合
「肝臓障害」「甲状腺機能亢進症」「貧血」「脳血栓」「肺結核」「急性膵炎」
「腸閉塞」など。また、女性の場合は月経中も数値が低くなります。
HDLコレステロール
正常値・異常値の見かた
HDLコレステロールとは、一般に「善玉」コレステロールと呼ばれるもので、血管
内の壁にへばりついた「悪玉」コレステロールを掃除してくれる大切な役目をもって
います。ですから、男性で37以下、女性で43以下は異常となります。90以上は性別
に関係なく高い数値ですが、HDLコレステロールは数値が高いほど動脈硬化をおさ
えることができますので、下げる必要はありません。
考えられる主な病気
「動脈硬化症」「高血圧症」「虚血性心疾患」「肥満症」などが心配されます。
中性脂肪(TG)
正常値・異常値の見かた
私たちの活動エネルギー源の一つでもある中性脂肪は、コレステロールと同様、
血液中に増えすぎると動脈硬化の要因となります。高脂肪や、高カロリー食、ア
ルコールなどの過剰摂取、あるいは遺伝などでも数値が上昇します。正常値は40
〜160ですが、食前食後、運動のあとなどでは数値が変動しますので、検査値は
12時間以上絶食したあと、早朝の空腹時に測定したもので判定したほうがいいで
しょう。
考えられる主な病気
数値が160を超える場合は以下の病気が考えられます。
・ 「肥満症」「糖尿病」「高尿酸血症」「急性膵炎」「原発性高リポたんぱく血症」
「タンジア病」「家族性LCAT欠損症」「リポジストロフィ症」「肝臓・胆道疾患」
「腎臓疾患」「ネフローゼ症候群」「心筋梗塞」「脳血栓」「ステロイド投射」のほか、
ごくまれに「家族性高βリポたんぱく血症」など。
・ コレステロール値も高い場合
「肥満症」「動脈硬化症」「高尿酸血症」「急性膵炎」「甲状腺機能低下症」「クッシ ング症候群」などが考えられます。
・ 数値が低い場合
「肝臓疾患」「アジソン病」「甲状腺機能亢進症(バセドウ病)」など。
動脈硬化指数(AI)
正常値・異常値の見かた
これは動脈硬化を起こしやすいかどうか、その指数を調べるもの。総コレステロール
値からHDLコレステロールをひき算し、出た数字をさらにHDLコレステロール値
で割り算します。動脈硬化指数が4以下なら心配はありませんが,それ以上高い人は
動脈硬化を起こしやすいということですので注意が必要です。
動脈硬化指数=(総コレステロール値-HDLコレステロール)÷HDLコレステロール
血糖(BS)
正常値・異常値の見かた
血糖とは、血液ちゅうに含まれるブドウ糖のことで、からだをつくっている
いろいろな細胞組織のエネルギー源となる大切な物質。健康なときのブドウ
糖は供給と消費でバランスがとれています。ですから正常値70〜110よ
り数値が高すぎても低すぎてもバランスがくずれているということ。ただ実
際には少し幅を持たせており、下60、上140までを境界線としています。
境界線の数値を超えるとなんらかの病気が疑われます。
考えられる主な病気
・ 高血糖の場合
「糖尿病」「急性膵炎」「膵臓がん」「肝硬変」「慢性肝炎」「クッシング症候群」
「甲状腺機能亢進症」「脳腫瘍」「肥満症」「心筋梗塞」など。また、高血糖が長
びくと「動脈硬化」「脳血栓」「狭心症」をはじめ、失明の恐れがある「糖尿病性
網膜症」や「尿毒症」の合併症が心配されます。
・ 低血糖の場合
「高インスリン血症」「肝臓病」「副腎皮質機能低下症」「悪性腫瘍」などが疑われます。
グリコヘモグロビン(HbA1c)
正常値・異常値の見かた
グリコヘモグロビンは血液中のヘモグロビンにブドウ糖が結合してできるもので、
時間をかけてブドウ糖(血糖)と結びつき長期間血液のなかにとどまります。こ
れで過去2〜3ヶ月の血糖値がだいたいわかります。測定法によって多少正常値
は変わりますが、いずれの場合も総ヘモグロビン中5.9%以上を示せば異常値
とされます。しかし、異常値だからといって糖尿病とは限りません。その場合は
他の検査と総合して判断されます。また、糖尿病の妊婦、溶血性貧血、出血など
のある場合数値は低くなります。
考えられる主な病気
「糖尿病」「ステロイド糖尿病」など。グリコヘモグロビン値は血糖が下がって
もすぐには下がらず、血糖値・尿糖値より約1〜3週間遅れて低下します。覚え
ておくといいでしょう。