喀痰検査
正常・異常の見かた
健康な人の痰は、白色透明で少し粘りがある程度ですが、呼吸器官に
異常があると必ず痰にいろいろな変化が出てきます。喀痰検査には、
痰の色や量、粘り気などから病状を調べる方法と、細菌学的検査と細
胞診(後述)があり、細菌学的検査は医師に判断を任せるほかありま
せんが、色や粘りかなどは自分でも判断できるはずです。検査で正常
と判定されたからといって安心せず、日頃から自己チェックを心がけ
ましょう。
考えられる主な病気
・さらさらで泡状のとき
「肺気腫」の疑い。これにピンク色の血が混じっているときも同じ病
気が考えられます。
・普通より粘りけが強いとき
「気管支炎」「肺炎」「気管支ぜんそく」などの恐れがあります。
・ 濃い黄色のとき
「肺化膿症」が疑われます。また、痰を放っておくと三層になる場合
も同じ病気が考えられます。
・ 血が混じっているとき
「肺真菌症」「肺結核」「肺がん」「気管支拡張症」などが考えられ、
さらに粘りがあるときも気管支拡張症が考えられます。
胸部X線
正常値・異常値の見かた(心臓)
X腺写真の陰影から心臓の大きさ、大動脈、肺動脈位置、かたちなども
観察することができ、生まれつきの心臓病の診断の手がかりにもなります。
心臓の大きさの正常値は心肺比50%以下で、それ以上になると異常と
みなされます。
考えられる主な病気(心臓)
心肺比が50%を超えていると「心臓肥大」の疑いがあり、さらに肥大
していると心臓の弁の開閉機能に故障が生じている、「心臓弁膜症」の
可能性があります。そのほか「高血圧症」なども心配されます。
正常・異常の見かた(肺)
X線では、主に肺のかたちや陰影から異常をキャッチします。正常な
場合は左右の形に変化がなく、肺野に白い影はあらわれません。白
い影が見られる場合は肺になんらかの異常があり、形が変化していた
ら心臓の方の病気が考えられます。もし異常なほどの陰影が見られた
ら、精密検査を受けてください。
考えられる主な病気(肺)
かたちや陰影になんらかの異常がある場合は「肺気腫」「気管支ぜん
そく」「肺動脈狭窄症」「気胸」「巨大のう胞」「肺うっ血」「肺腺
維症」「慢性気管支炎」「気管支肺炎」「肺結核」「肺転移性がん」
「無気肺」「大葉性肺炎」「膿胸」「肺のう胞」「肺がん」「痩肺」
「粟粒結核」「肺のう瘍」などが考えられます。
肺活量
正常・異常の見かた
肺活量の目安は成人男性で3500cc、女性で2500ccです。ただ
し、これは年齢、性別、身長などで異なるため、正確には次の数式で
計算されたものが基準値となります。これで計算した数値に対して
80〜120%以内に実際の肺活量がおさまっていれば正常ですが、
範囲より多すぎても少なすぎても異常値となります。
男性肺活量=(27.63−0.112×年齢)×身長(cm)
女性肺活量=(21.78−0.101×年齢)×身長(cm)
また、「一秒率」は始めの一秒間に自分の肺活量の何%を吐き出せる
かを調べるもので、70%以上あれば正常です。
考えられる主な病気
・ 数値が低いとき
「肺結核」「肺腺維症」「肺炎」「脊髄の変形」腫瘍による「気管支閉
塞」が考えられます。
・ 数値が高いとき
「気管支ぜんそく」「肺気腫」などの疑いがあります。また、一秒率が
正常値以下の場合も「肺気腫」が考えられます。
心電図
正常・異常の見かた
心臓の動きが正常かどうかを調べる時に欠かせないのが心電図です。
人間ドッグや成人病の検査では必ず行われますが、検査データは数値で
あらわされるものではありませんので、正常・異常の判断は医師に任せ
ましょう。
考えられる主な病気
「不整脈」「心臓肥大」「心筋梗塞」「心筋障害」「冠動脈不全」「具
型狭心症」「心のう炎」のほか、心臓偏位・拡張の有無など。
肺がんの検査
たん細胞診
肺がんは初期の自覚症状がなく、がんの中でもとくに治りにくいため、
早期発見、早期治療につながる検査が必要です。たん細胞診は、たんを
とって、そのなかにがん細胞があるかどうかを調べる検査です。もし肺
がんのためにたんが出るような状態でしたら、症状はかなり進んでいる
といえます。また、この検査で異常がみあたらない場合でも、自覚症状
がある人は必ず詳しい検査を受けるようにしましょう。
そのほかの検査
当診療所では、肺がんの早期発見に威力を発揮する「肺ヘリカルCT」検査
(オプション検査)を行っております。